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特別講演会「少年審判の実務ー要保護性の審理を中心にー」を開催しました

2026/02/06 

 2026年1月8日(木)、大阪地方裁判所刑事部より、藤永祐介裁判官にお越しいただき、少年審判の実務について、お話をしていただきました。
 授業の中で扱った、「要保護性」という概念が、実際にどのように審判で審理・判断されているのかについて、模擬事例を使いながら、わかりやすく丁寧に解説をしていただきました。

 まず、初めに、少年審判は刑事裁判とは異なり、過去の犯罪行為を罰するのではなく、少年の健全育成に向けて、少年の未来を考えるためのものであることを説明いただきました。だからこそ、少年審判では、非行事実を踏まえて、将来の再非行危険性を中心とする要保護性を検討していくということでした。
 実際に要保護性を判断する際には、生物、心理、社会といった3つの視点(BPSモデル)から非行に至った原因が分析されます。模擬事例では、少年が不良仲間とつるんでいることや、家に帰っても母親が夜間仕事で不在がちであること、学校にはなかなか通えていないことなどを取り上げながら、BPSモデルの視点を用いて、なぜ少年が非行に至ってしまったのか、少年の問題点を分析してみました。
 さらに、手続の中で行うことができる働きかけにより、少年の問題点にどのようなアプローチをして改善することができるのかを掘り下げて考えていきました。

 講演の中では、藤永裁判官と学生さんとのやり取りもあり、裁判官の思考プロセスをともにたどってみる体験をすることができました。

 さらに、藤永裁判官が少年事件を扱っていくうえで大切にしていることなどをうかがうこともできました。
 
 とてもやさしい表情と話し方に、裁判官のイメージが覆されたといった感想や、授業で扱ったむつかしい概念が、ようやく理解できたとの感想が多数寄せられました。また、非行をした少年たちにも様々な背景や事情があり、それらをつなげて考えていかなければ、少年非行の問題解決にはつながらないこと、日々、そのような仕事に真摯に向き合っている裁判官の職責の重さなどについても、感想がよせられました。

 普段、接することの少ない裁判官からお話をうかがえる貴重な機会となりました。