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下記の通り、第25回神戸学院大学法学部法律討論会を開催します。
今回の問題の概要は、以下の通りです(問題文はこちら)。
母親Bが、自宅マンションを長女Dにだけ相続させる旨の遺言を作成して亡くなりました。お金に困っていた長男Cは、Bの死後、遺言の存在を知りましたが、遺言書が密封されていたため、その内容まではわからないまま、自宅マンションについて自分にも法定相続分(2分の1)だけ権利があると考えました。そこで、Cは、Dに無断でその権利を自己の名義に登記し、さらにその権利を不動産業者Yに格安の値段で売却、Yの名義に登記してしまいました。
その後、Bの友人でその遺言執行者となった司法書士Xは、家庭裁判所の手続きを経て、密封状態で保管していたBの遺言を開封し、そこで初めてBの遺言の内容を知りました。
Xは、Bの遺言を実現するため、Cから自宅マンションの権利を買った不動産業者Yに対して、どのような請求をすることができるのでしょうか。そして、その請求は認められるのでしょうか。
以上の問題について、神戸学院大学法学部や他大学の5つの民法ゼミが、それぞれの解答を発表し、会場の参加者から質問を受け、回答します。Xを勝たせるか、それともYを勝たせるか。白熱した議論になること、間違いなしです。
学生だけでなく、一般の皆様のご参加をお待ちしています。
記
【日時】
2025年11月29日(土)12時30分開場、13時開始、18時終了予定
【場所】
神戸学院大学ポートアイランド第1キャンパス B302講義室(B号館3階)
【出題者兼審査員長】
本山 敦(もとやま・あつし、立命館大学法学部・教授)
【司会者】
村上 優太(むらかみ・ゆうた、弁護士(愛知県弁護士会所属)、神戸学院大学法学部2009年3月卒業)
【審査員】
宮本 幸裕(みやもと・ゆきひろ、弁護士(京都弁護士会))
影井 雪香(かげい・ゆきか、弁護士(兵庫県弁護士会)、神戸学院大学法学部2008年3月卒業、同大学院実務法務研究科2011年3月修了)
春山 広起(はるやま・ひろき、弁護士(大阪弁護士会)、神戸学院大学法学部2016年3月卒業、関西大学大学院法務研究科2019年3月修了)
足立 公志朗(あだち・こうしろう、神戸学院大学法学部・教授)
【参加団体】
神戸学院大学法学部・小松昭人ゼミナール(演習Ⅰおよび演習Ⅱ)
同・笹川明道ゼミナール(演習Ⅰおよび演習Ⅱ)
同・廣峰正子ゼミナール(演習Ⅰ)
摂南大学法学部・城内明ゼミナール(3年次)
金沢大学人間社会学域法学類・隅谷史人ゼミナール(3年次)
【タイムテーブル】
| 12:30 開場(B302) |
| 13:00 開会宣言(B302) |
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| 13:20 第一立論開始(B302) 神戸学院大学法学部・廣峰ゼミ(演習Ⅰ) |
| 13:50 第二立論開始(B302) 摂南大学法学部・城内ゼミ(3年次) |
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| 14:25 小休憩(15分、進行状況によっては10分に短縮) |
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| 14:40 第三立論開始(B302) 金沢大学人間社会学域法学類・隅谷ゼミ(3年次) |
| 15:10 第四立論開始(B302) 神戸学院大学法学部・笹川ゼミ(演習Ⅱ) |
| 15:40 第五立論開始(B302) 神戸学院大学法学部・小松ゼミ(演習Ⅰ) |
| 16:10 討論終結、休憩(〜17:10、審査の都合により延長あり)、審査開始 |
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| 17:10 審査員、出題者からの講評、成績発表、表彰(B302) |
| 18:00 閉会宣言(B302) |
○ 「神戸学院大学法学部法律討論会」とは
神戸学院大学法学部では、民法を専攻するゼミ(演習Ⅰ、演習Ⅱ)を中心に、年1回、「神戸学院大学法学部法律討論会」を開催しています。本討論会は、おおむね、以下のように実施されています。
① 民法を専攻する研究者の大学教員に、問題の作成を依頼しています。今回の法律討論会では、立命館大学法学部教授の本山 敦 先生(民法専攻)に、問題の作成並びに当日の審査講評をご担当頂いています。
② 問題は、通常は討論会開催の約40日から50日前に、いっせいに公表されます(今回は特別に討論会開催の5か月前に公表)。その時から、討論会の各参加団体に所属する学生たちは、団体内で問題を検討し、「立論」と呼ばれる解答を作成します。
③ 討論会の各参加団体は、所属する学生のうちから、「討論代表者」を3人以内選出します。討論会の当日、各団体の討論代表者のうちの1人(以下、この者を「立論者」と呼びます。)は、会場において、10分以内で自分の立論を発表します。ついで、3分間の質問考慮時間を挟んで、約12分間、会場内にいる人の質問に答えます。会場内にいる人は、教員など一部例外を除き、誰であれ、討論代表者に対して、自由に質問をすることができます。
④ 出題者は、討論会の当日、立論および質疑応答の審査を担当します。また、より公平な審査を実現するために、出題者を含め、複数の審査員が審査を行います。審査員には、本学法学部や他大学の専任教員だけでなく、最近では、在学中に本討論会に参加した本学法学部の卒業生で、大学教員になった者や、近年司法試験に合格し弁護士として活躍している者が、審査講評を担当しています。
⑤ 討論会の閉会式で、審査の結果に従って、質問の部については上位3位までの質問者を、立論の部については上位2位までの団体を、それぞれ表彰し、副賞を授与します(ちなみに、質問の部では一般参加者にも受賞の可能性があります)。
本討論会の歴史は、2003年度に、民法専攻の若手有志教員が、ゼミで民法を学んだ成果を問う機会を学生に与える目的で「民法討論会」を開催したことに始まります。その後、途中名称を「法律討論会」と改めましたが、昨年11月末実施の討論会で、第24回を数えるまでになりました。
今回の討論会には、本討論会の常連である摂南大学・城内明ゼミに加え、金沢大学・隅谷史人ゼミが新たに参加します。隅谷史人先生は、本学法学部の卒業生です。隅谷先生は、本討論会が始まって間もない頃、学生として本討論会で活躍しておられました。この度、大学教員として遠く金沢よりご担当のゼミを率いてご参加いただきました。このように、本討論会は、本学法学部の民法ゼミの枠を超えて、学内外の参加団体との切磋琢磨の場となっています。
多くの皆さんのご参加をお待ちしています。なお、ご参加の際は、立論や質疑応答において条文に言及することが多いので、できれば六法をご持参ください。
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